• 2017-12-4

建物買取請求権とは?分かりやすく徹底解説【借地権】

借りていた土地を地主に返還することになった。

しかし、土地にある建物を更地にしようと思ったら、撤去・処分費用に200~500万円ほどかかってしまう・・・。

そんな悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?

地主から土地の返還を迫られてるけど、費用が出せない・・・。

そんなときのために、借地人には、建物買取請求権という権利が与えられています。

この記事では、知らないと損する”建物買取請求権”の基礎知識、買取金額、特約の有効性などを分かりやすく解説しています。

建物買取請求権とは

建物買取請求権とは、借地契約の期間が満了して土地を明け渡さなければならないとき、「借地人(土地を借りている者)」が「地主(土地を所有している者)」に対して、建てた建物を買い取るよう請求できる権利です。

建物買取請求権ができた背景

本来、借地人は、借地契約が満了したとき、土地を”更地”にして返還する必要があります。

しかし、これは、「まだ使える建物を取り壊さなければならない」ことを意味し、借地人にとっても、社会経済的にとっても大きな損失となります。

このことを考慮して、地主が借地人が建てた建物を買い取る”建物買取請求権”の仕組みが整えられました。

法律

建物買取請求権は、借地借家法第13条(旧借地法4条2項)によって定められています。

(建物買取請求権)
第13条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

出典:借地借家法第13条

2 借地権者ハ契約ノ更新ナキ場合ニ於テハ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得

出典:借地法第4条2項

要件

借地人が建物買取請求権を行使するには、

  • 借地契約の期間が満了したこと
  • 借地契約の更新がないこと借地に建物があること

の要件をすべて満たす必要があります。

ひとたび、建物買取請求権が行使されれば、地主の意志にかかわらず、建物の売買契約は成立したとみなされます。

※このような権利者の一方的な意思表示だけで成立する契約を”形成権”と言います。

建物買取請求権が行使される場面

建物買取請求権は、基本的に地主が土地の継続利用を拒んでいる場面で行使されます。

例えば、借地人が借地契約の継続を希望したが、地主が「正当事由」を主張して、契約更新を拒絶したときなどです。

拒否

ただし、借地人が

  • 地代の不払い
  • 重大な契約違反(地主に無断で増改築をする等)

をしている場合、地主は、建物買取請求権を拒否することが可能です。

また、これらの理由により、借地契約が終了した場合は、借地人に建物を撤去する義務が生じます。

合意解約

合意解約とは、地主と借地人が合意の上で借地契約を終了させることです。

この場合、当事者の協議により「建物をどうするか」を決めることになります。

しかしながら、旧借地法時代の最高裁判例では、

借地権者が地上建物の運命まで顧慮したうえで合意をしたと考えられるから、特に建物買取りに関する合意が存在しない限り、買取請求権の放棄・建物の収去が前提とされていると解すべきである

(大判昭和14年2月6日新聞4386号16頁、最判昭和29年6月11日判タ41号31頁)

という判決が出されています。

そのため、基本的に合意解約の場合は、建物買取請求権が発生しないと考えて良いでしょう。

建物の買取価格

地主にとって、「建物をいくらで買い取らなければならないか」は、非常に大きな問題です。

法律では、時価で買い取るべきとされています。

では、時価とはどのくらいでしょうか?

時価の算出方法については、難しい問題となりますが、最高裁判例では、

建物を取り壊した場合の動産としての価格ではなく、建物が現存するままの状態における価格である。
~中略~
その建物の存在する場所的環境については参考にすべきである。

(最判昭35.12.20)

という判決が出されています。

つまり、建物の建設費から経過年数に応じた”減耗分”を差し引き、”場所的利益”を含んだ価格であると一般的には理解されています。

なお、時価には、借地権の価格は含まれないとされてます。

第三者の建物買取請求権

建物買取請求権では、第三者から地主に対する建物買取請求権についても認めています。

例えば、借地人が地主の承諾を得ず、建物(借地権)を第三者(建物の買い主)に譲渡した。

このような場合でも、第三者は、取得した建物を地主に買い取るように請求できます。

原則、借地人は、借地上にある建物を「売買・譲渡」「増改築」「建替」する際は、”地主の承諾”もしくは”裁判所の許可”が必要になります。

そのため、地主からすれば、「なぜ、借地権の無断譲渡に関与した第三者の建物を買い取らなければならないのか」と疑問に思うかもしれません。

しかしながら、利用可能な建物の取り壊しによる社会経済的な損失を考慮して、第三者の建物買取請求権が認められています。

このことは、借地借家法第14条(旧借地法10条)でも明記されています。

(第三者の建物買取請求権)
第14条 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

出典:借地借家法第14条

第10条 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ取得シタル場合ニ於テ賃貸人カ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得

出典:借地法第10条

特約の有効性

建物買取請求権は、地主にとって経済的な負担も多く、「できれば拒否をしたい」のが本音だと思います。

では、借地契約を結ぶとき、契約書の特約事項に「建物買取請求権は認めない」と書いておけばどうでしょうか?

実は、このような法律の定めに反する特約は、仮に地主と借地人がお互いに合意していたとしても、無効となります。

このことは、借地借家法第16条(旧借地法11条)でも明記されています。

(強行規定)
第16条 第10条、第13条及び第14条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。

出典:借地借家法第16条

※第10条=借地権の対抗力等、第13条=建物買取請求権、第14条=第三者の建物買取請求権

第11条 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス

出典:借地法11条

最後に

いかがでしたか?

いざというときに借地人を守ってくれる建物買取請求権は、是非覚えておきたい権利です。

借地権は、日常生活の基盤である”住まい”が絡んでいることもあり、トラブルに発展するケースが多々あります。

弊社では、借地権に関してお悩みの方のご相談をうけたまわっております。

「借地権付きの土地・建物を遺産相続した」「地代の値上げ要求された」「法外な更新料の請求された」など、借地権について、お困りの方はお気軽にご相談ください。

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