大阪KITEN

大阪KITEN

借地権の相続と生前贈与で異なるポイントとは【贈与税対策も解説】

不動産売買借地権#借地権

最終更新日:2018.06.26

借地権の相続と生前贈与で異なるポイントとは【贈与税対策も解説】

「借地権を相続する場合と生前贈与する場合とではどっちが税負担としては楽なんだろう。また生前贈与したときに贈与税がかからない方法はないだろうか。」

そんな疑問に答えます。

 本文の内容

  • 借地権を生前贈与すると贈与税の対象
  • 借地の上に子ども名義の家屋を建てると借地権も贈与したとみなされる

弊社は創業して11年目の不動産会社です。地域密着型として地域のお客さまの不動産に関するサポートをしてきました。借地権は法的にも税務的にも非常に難しいものです。弊社にも多くの相談をいただきます。

この記事では借地権に関することのなかでも、生前贈与についてお伝えします。借地権は贈与税の対象になるのかどうか、贈与税対策としてどうすればよいのかについてわかりやすく解説しました。

1.借地権を生前贈与すると贈与税の対象


借地権の売買が行われているように借地権も財産とみなされます。そのため、借地権を子どもに無償で贈与すると、借地権相当額の利益を子どもは受け取ったことになります。

このとき、借地権相当額は借地権を相続するときの計算で用いられる相続税評価額に応じて贈与税がかけられることになります。

相続税評価額は、更地価格に借地権割合をかけることが求めます。借地権の市場価格ではないことに注意してください。

一般的に、借地権の相続税評価額は借地権の市場価格よりも高額になるためです。

借地権を生前贈与するときは名義書換料も発生

また借地権を生前贈与するときには贈与税だけではなく、地主に対して名義書換料(承諾料)も支払う必要があります。

借地権を相続したときには、名義書換料は必要ないのですが、生前贈与は借地権の譲渡とみなされるからです。

2.借地の上に子ども名義の家屋を建てると借地権も贈与したとみなされる

借地権が登記されていることはほとんどありません。地主が嫌がるからです。そのため、特別な手続きをしない限り、借地権者は借地上の建物を登記している名義になります。

子ども名義の自宅を親が地主から借りている借地の上に建てたり、リフォームして子供名義にしたりすることも多いですが、このとき借地権を子どもに贈与したとされてしまいます。

また借地上の建物の名義を変えると、借地権も譲渡されることになります。そして借地権を無断で譲渡することは許可されていないので、必ず借地上の建物の名義を変えるときには、地主の承諾を得るようにしてください。

承諾なく変更した場合は、借地契約の解除になる場合もあります。

2-1.贈与税対策は借地権の使用貸借にすること

贈与税率は相続税率よりも高いです。そもそも建物の名義を変えたり、子ども名義で建て直したりしただけで借地権まで譲渡しているつもりはないでしょう。

この対策として、「借地権の使用貸借」にするという方法があります。使用貸借にすれば、借地権者は親で変わりなく、使用貸借権の価格はゼロ円として扱われるので、贈与税が課税されることはないからです。

ただし使用貸借にするときには、税務署に「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出する必要があります。確認書は、借地権を使用する子どもと借地人である親、そして地主の3人が連名で、「使用貸借であること」を確認するためのものです。

地主が入っている理由は、借地権の使用貸借であっても地主の承諾が必要になるからです。

この書類を提出していない場合、借地権を使用貸借している証明が税務上取れないので、忘れずに提出するようにしましょう。提出していなければ、贈与したとみなされて贈与税がかかってしまいます。

借地権の使用貸借に関する確認書は国税庁の下記のページから取得できます。

※参考:[手続名]借地権の使用貸借であることの確認手続(借地権の使用貸借に関する確認書)|国税庁

3.まとめ

借地権の相続税評価額は、更地価格に借地権割合をかけたもので、だいたい更地価格の60~70%になります。

更地価格より低いとはいえ、仮に更地価格5,000万円の借地権であれば、3,000万円程度になります。このとき、基礎控除後でも贈与税率は45%にもなり、高額な贈与税が発生します。

相続税率と比較すると、基礎控除額も税率も全然違います。そのため、借地権の生前贈与はおすすめしません。

また借地権は建物を名義変更するだけで税務上、贈与したとされます。意図しない贈与税を支払わないためにも借地権の賃貸借として、税務署への確認書提出も忘れないようにしましょう。

弊社では借地権の相続税対策だけでなく、借地権全般について相談を承っております。場合によっては相続ではなく事前に売却していた方がいいこともあります。無料で相談していただけますのでお気軽にお問い合わせください。
» 無料:お問い合わせはこちら