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借地権の相続は兄弟共有で可能【トラブルの元なのでおすすめはしない】

不動産売買借地権#借地権

最終更新日:2018.06.29

借地権の相続は兄弟共有で可能【トラブルの元なのでおすすめはしない】

「親が亡くなって借地権を相続することになったが、借地権は兄弟で共有して相続することができるのだろうか。何か注意点があれば、それについても知りたい。」

そんな疑問に答えます。

 本文の内容

  • 借地権の相続は兄弟共有で可能
  • 借地権の共同相続はトラブルの元なのでおすすめしない
  • 借地権の相続は遺産分割協議で単独名義にすることがおすすめ

弊社は創業11年目の不動産会社です。多くのお客さまの住まいに関わる相談を受け、サポートしてきました。相続した借地権の相談も寄せられます。共有名義となっている借地権の処分に困っている方も多いです。

そこでこの記事では借地権の兄弟での相続とよく起こるトラブルについてお伝えします。

1.借地権の相続は兄弟共有で可能


通常の土地や建物のように借地権も兄弟共有で相続することができます。このとき地主からみれば借地権者が増えたことになりますが、相続ですので承諾を得る必要はありません。

そのため「借地人が増えるなら今後土地を貸すことはできない。」と言われても返還しなくて大丈夫です。

ただ借地権というそれだけでも取り扱いが難しいもののため、より複雑化する共同相続はおすすめできません。

2.借地権の共同相続はトラブルの元なのでおすすめしない


相続が発生すると法定相続人が集まって、様々な財産をそれぞれの法定相続分に基づいて分割していきます。そのなかで、借地権は「モノ」ではないので明確に分割することが難しく、後回しにされることも多いです。

その結果、「仕方がないから兄弟全員での共有相続に使用」となることもあります。

もちろん兄弟同士の仲がよければ、最初は特に問題は生まれません。しかし、その兄弟の中から誰かが亡くなったりすると、その兄弟が持っていた借地権も同様に相続されていきます。

もし兄弟がいる家庭を築いてれば、借地権は細分化され、借地権者がどんどん増えていくことになります。

そしてそれぞれの借地権者それぞれが

  • 売りたい
  • 人に貸したい
  • 自分が住みたい

と主張をし始めると、収集がつかなくなります。

借地権を売却するときには共同相続人全員の同意が必要です。地主から承諾を得られたとしても売却できません。また建物の建て替えも、共同相続人全員の同意が必要です。

そのため売却も建て替えもできず、そのまま放置するしかない状況になっていることも多いです。 ほかにも、借地権の地代を共同相続人の誰かが払わなかった場合、代わりに支払う必要があります。

このように借地権の兄弟による共同相続は後々、トラブルの元になります。兄弟同士はよくても、その下の世代で苦労することにもなりかねません。

ですので、可能な限り借地権の共同相続は避けるようにしてください。

3.借地権の相続は遺産分割協議で単独名義にすることがおすすめ


そういうわけで、借地権は相続のときに遺産分割協議で単独名義にしておくことがおすすめです。

このとき重要になるのが借地権の相続税評価額です。単独名義にするということは、法定相続人のうち、誰か1人が借地権をすべて相続するということだからです。

相続割合に応じて分割することが原則のため、借地権の金銭的な価値を計算し、その分を他で調整します。

この調整は少し面倒に思うかもしれませんが、借地権を共同相続した後に起こるトラブルと比べれば非常に優しいものです。

3-1.すでに共有名義となっている場合は他の共有者からの買取も検討

またすでに遺産分割協議が完了していて、借地権が共有名義になっている場合もあると思います。そしてこのとき、借地上の建物に住んでいるのがあなただけならば、早いうちに他の共有名義の方から買取を考えてください。

建物の建て替えにも共同相続人全員の合意が必要となるため、将来的に建物が老朽化したときに建て替えができず住むのも困難な状態になってしまうからです。

ただし買取をするときにも注意が必要です。

買取するにしても、それだけの資金が必要になるからです。またこの買取を、相続税を支払ったあと3年10ヶ月以降に行う場合は取得費加算の特例の適用外となり、売った側は相続税分を取得費に含めることができず譲渡所得税が高額になる場合があります。

さらに共有名義の借地権の買取は親族間売買です。このとき売買価格も問題になります。

たとえば、資金がないからといって事情を話して、安く買取ることができたとしましょう。

ですが妥当な借地権売却価格との差分は「贈与」とみなされてしまうこともあり、予期しない贈与税の支払いが発生する可能性もあります。

このように借地権を親族の他の共有者から買取するときには慎重に価格も決めることが大切です。借地権の価格の考え方については下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
» 借地権の買取相場は存在しない【価格査定の仕組み/価格下落の理由】

借地権の買取相場は存在しない【価格査定の仕組み/価格下落の理由】

2018.03.02

4.まとめ


ここまでお伝えしてきたように、借地権の共同相続は問題の先送りになるだけでいいことはありません。

もし借地上の建物に住む方がいればその方の単独名義になるように遺産分割協議を進めていきましょう。

そして利用しないのであれば、相続するタイミングですぐに売却します。ただし、借地権の売却には地主の承諾・共同相続人全員の同意書が必要になるので、事前に準備を忘れないようにしてください。

このとき、共同相続人全員が集まる機会はそうないので、売却の同意書は、遺産分割協議のときに作っておくことがおすすめです。

弊社では借地権の売却の仲介、買取も行っており、借地権の相続に関する相談も受け付けています。相談は無料ですので、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。
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