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借地権を相続したときの手続き【相続で知っておきたい3つのこと】

不動産売買借地権#借地権

最終更新日:2018.06.15

借地権を相続したときの手続き【相続で知っておきたい3つのこと】

「親が亡くなったため借地権を相続することになったが、手続きは普通の不動産を相続するときとどう違うのだろう。借地権を相続するときの手続きについて知りたい。」

そんな疑問に答えます。

 本文の内容

  • 借地権を相続したときの手続きは地主への通知のみ
  • 借地権を相続するときに知っておきたい3つのこと

弊社は創業して11年目の不動産会社です。
地域密着型として、多くのお客さまの相談を受けてきました。借地権の相続に関することもその1つです。

今まで不動産と無縁だった方が、ご両親が亡くなって「借地権」を相続することになり、どのように進めたらいいかわからないということで相談の問い合わせがあります。

そこでこの記事では借地権を相続したときの手続きについて解説します。

1.借地権を相続したときの手続きは地主への通知のみ

借地権を相続することになったとき、特別な手続きは必要ありません。
土地の賃貸借契約を書き換える必要もないです。行うことは、地主に「土地の賃借権を相続によって取得した。」という旨を通知するだけです。 これも義務というわけではありませんが、今後地主と良好な関係を続け、賃料を滞りなく支払うために行います。

ただ現在建物を建てている土地が借地なのかどうかは確認しておきましょう。借地権だと思っていたのに使用借権だった場合は注意が必要です。

使用借権は地主の厚意で土地を無料で使わせてもらっていて、その上に建物を建てていることになるので借地借家法の適用を受けません。そのため、「亡くなったのなら更地にして返してください。」と言われると断れない可能性が高いです。

借地権があることを確認するときには、地当時の契約書を探します。もし契約書が見つからなかった場合でも土地の賃料を支払っていることが分かれば、それは借地権であることと同じなので安心してください。

そして契約書も見つからず、賃料も支払っているかわからないときには地主に連絡しましょう。地主が誰なのかわからないときは土地の登記簿謄本を取得します。登記簿謄本には土地の所有者が記載されているので地主を探すことができるからです。

契約書が見つからなかったときは、今後のために改めて契約書を締結することをおすすめします。

1-1.借地上の建物については相続登記が必要

借地権を相続するときには手続きは不要でしたが、借地上の建物については相続登記を行って、名義変更する必要があります。

将来ご自身が亡くなられたときの相続手続きが面倒になるというのもありますが、対抗要件としても重要だからです。

地主が亡くなられて相続が起きたときは問題なく借地権を主張できます。しかし、もし地主が土地を第三者に売却して新しい地主となり、その地主から借地を返還するように言われたときは、対抗要件がなければ、たとえ借地権を持っていても出ていかなければならないからです。

借地借家法第十条には次のように記載されています。

第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

引用:借地借家法

つまり、下記の要件を満たすことで新しい地主にも借地権を主張できるようになり、追い出されることもありません。

①建物の登記がされており、その名義が借地人と一致していること
②建物が滅失している場合は、滅失した日付と新たな家屋を建築する予定であることを明記

忘れずに行っておきましょう。

2.借地権を相続するときに知っておきたい3つのこと

借地権を相続する時に、誤解されやすいことをお伝えします。これらのことを知らなかったがために不要なお金を支払ってしまった方もいます。

その①:借地権の相続に地主の承諾は不要

借地権の相続では、地主に通知するだけで完了します。つまり、相続に地主の承諾は必要ありません。

承諾を必要としないので、当然ながら承諾料も支払う必要はありません。

また「借地人が亡くなったのなら更地にして返還してほしい」という地主の要求についても応じる必要はないので安心してください。

その②:借地権の相続に名義書換料も不要

借地権を相続すると賃借人の名義が変わります。そのため地主から名義書換料を請求されることもあります。

しかし借地権の相続による移転は譲渡とは別物であるため、承諾料と同様に名義書換料を支払う必要はありません。

相続によって借地権を取得したときには、地主対して特別費用を支払わなくても問題ないと考えていただいて大丈夫です。

その③:定期借地権の場合は存続期間に注意

定期借地権であっても相続に問題はありませんが、この場合は借地権の存続期間が定められているので、存続期間を過ぎると借地権は消滅します。

このとき地主は契約の更新義務がありません。正当事由がなくとも期間満了ということで契約解除ができます。そうなると、もし自宅を建てて住んでいたとしても取り壊して土地を返還しなければなりません。

定期借地権は50年以上と長いものですが念のため、借地権が普通借地権なのか定期借地権なのか確認しておきましょう。

3.まとめ

借地権の相続では特別な手続きは必要ありません。地主の承諾も必要なく、名義書換料も発生しないことも覚えていてください。

地主も借地権の相続について詳しくないことがあり、悪気なく承諾料や名義書換料の支払いを求めることがあるからです。

もし借地権を相続したもののどのように対応すればいいかわからない、というときにはお気軽に弊社までご相談ください。相談は無料で承っております。
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