• 2017-8-10

これから賃貸物件でペット(犬・猫)を飼う方は、退去費用にご注意

一人暮らしが寂しいので、ペット(犬・猫)を飼いたい。

以前、私も猫を飼っていたのですが、エサ代、日用品、病気や怪我の治療費、旅行時のペットホテル代など、意外と飼育費はかかります。

また、賃貸物件でペットを飼う際に注意してほしいことが退去費用についてです。

退去費用とは

退去費用とは、借りていた部屋を退去する際に発生する費用です。

故意・過失”によって部屋の床や壁、設備を傷つけた際の補修費用となります。

この故意・過失という部分が重要で、「意図的・不注意によって、部屋を劣化させた」と見なされれば、それだけ退去費用も高くなってきます。

どこまでが故意・過失?

とはいっても、「どこまでが故意・過失か」の判断は難しく、しばしばトラブルの原因となっています。

そこで、国土交通省は、退去費用の「貸主(オーナー)」と「借主(入居者)」の負担割合をまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(PDF)」を公表。

現在、法律の整備もすすめられています。

120年ぶりの民法改正で「敷金の返還義務」「原状回復の負担割合」が法律で明文化

2017.04.17

このガイドラインには、

  • 壁に貼ったポスターや絵画の跡は”貸主負担”
  • 引越作業等で生じた引っかきキズは”借主負担”

など、事細かく負担割合が記載されています。

現時点で法的拘束力はありませんが、過去の判例に基づき作成されているため、裁判に発展した際は、このガイドラインに近い判決ができケースが多く、信憑性が高いといえます。

ペットが原因のキズについて

ガイドラインでは、自然に生じた傷や汚れ(経年劣化・自然摩耗)に関しては、大家さん負担とされています。

では、「ペットが原因で部屋に傷が付いた場合は、どうなのか?」

その辺のこともガイドラインに記載されています。

建具類、襖、柱等の項目に「1.飼育ペットによる柱等のキズ・臭い(ペットによる柱、クロス等にキズが付いたり、臭いが付着している場合)」があり、賃借人(借主)の負担になるとされています。

これは、ペットが原因の傷は、”躾や尿の後始末などの問題“であるという考え方があるためです。

特に、共同住宅におけるペット飼育は未だ一般的ではなく、ペットの躾や尿の後始末などの問題でもあることから、ペットにより柱、クロス等にキズが付いたり臭いが付着している場合は賃借人負担と判断される場合が多いと考えられる。なお、賃貸物件でのペットの飼育が禁じられている場合は、用法違反にあたるものと考えられる。

なかなか言うことを聞いてくれない・・・

とはいっても、尿の後始末などは、飼い主の努力でどうにかなりますが、躾(しつけ)については、なかなか難しいです。

実際、私も猫を飼っていた経験がありますが、

「壁を引っ掻いたらダメ!」

といくら躾ようとしたところで、なかなか言うことを聞いてくれません。

一応、爪とぎも置いていましたが、それでも、ガリガリと引っ掻いていきます。

おかげで、部屋の壁紙やソファーは、ボロボロになってしまいました。

今までペットを飼ったことある方はご存知だと思いますが、ペットの躾って本当に難しいです。

ペットを飼うと、ほぼ確実に部屋の劣化は早くなります。

普通の使い方より「修繕費用は高くなる」と初めから考えていたほうがいいでしょう。

退去の際に請求される金額

では、実際、退去の際に請求される金額は、どのくらいなのでしょうか?

ペットが関係するのは、次の2箇所。

  1. フローリング
  2. クロス(壁紙)

1. フローリング

ペット(犬・猫)の性格にもよりますが、やんちゃな子だと本当によく走り回ります。

その結果、フローリングがひっかき傷だらけということに。

もちろん、自然に生じた傷や汚れ以上の破損は、借主負担です。

相場としては、

1m²あたり3,000円~8,000円

となります。

仮に6帖の部屋(9.72平米)のフローリングをすべて張り替えるとなると、約30,000~75,000円です。

床を傷つけない対策

床が爪で傷だらけにならないためには、カーペットなどを敷く対策が有効。タイルカーペットやコルク床を使えば、汚れた箇所だけ洗浄・交換できるので便利です。

2. クロス(壁紙)

犬や猫には、ものをかじったり、引っかいたりする習性があります。

その結果、柱や壁紙はボロボロに。

こちらも、基本的には、借主の負担となります。

相場としては、

1m²あたり1,000円ほど

です。

また、フローリングについても言えますが、目に見える傷だけでなく、ペットの「染み付いた臭い」に関しても、修繕費用として請求されるケースがあります。

ペットの臭い対策・予防

当たり前ですが、床に尿や便、壁にマーキングなどをしたときは、臭いが染み込む前に掃除することが大切です。

(猫の場合は、よく毛玉や食べ物を吐きます。できるだけ早く綺麗に掃除しましょう。)

また、犬の場合は、月1~2回の頻度でシャワーをしてあげることが良いとされています。

猫は自分で被毛を舐めて清潔に保とうとしますが、犬には、その習慣がありません。

日々、散歩もするため汚れやすく、放っておくと被毛がどんどん汚れていき、臭いの発生源となってしまいます。

人間は、同じ臭いを嗅ぎ続けると、次第に慣れて臭わなくなってきます。

そのことも、頭に入れ、床や壁にペット臭が染み込まないように、しっかりと対策していきましょう。

減価償却を考慮

ただし、上記は、減価償却分を考慮していない金額です。

本来は、経年劣化により価値が減った分を考慮する必要があります。(減価償却)

例えば、クロス(壁紙)の耐用年数は、「6年」とされており、6年以上経過している場合、価値は「1円」まで低下します。

出典:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)

仮に、入居してから、”3年で退去した”とすると、壁紙(クロス)の価値は半分まで下がります。

例えば、クロスの修繕費用が40,000円かかるとしたとき、入居1年目、入居3年目では大きく請求金額が変わってきます。

  • 1年目:40,000円 × 0.83(83%) = 33,200円
  • 3年目:40,000円 × 0.5(50%) = 20,000円

最後に

ペット可の物件は、普通の物件と比べて、敷金が高めに設定されている傾向があります。

これは、ペットを飼っていると、退去時にペットの臭い除去が必要だったり、修繕する箇所が増えると予想されているからです。

ただ、あまりにも部屋の破損箇所が多いと、修繕費用が敷金をオーバーしてしまい追加で費用請求される可能性があります。

ペット可の賃貸物件だから傷つけて良いわけではありません。

退去時の費用を抑えるためにも、なるべく部屋を綺麗に保つように気をつけるべきです。

また、これからペットを飼う方は、エサ代だけでなく、退去時の費用も含めて、さまざまな費用がかかってくると理解した上で飼いましょう。

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